波乱の幕開け

仙台育英1−2常葉菊川

大阪桐蔭中田翔が先発のマウンドに立ち盛り上がりをみせた開幕日。
その直後に、登場したのが仙台育英注目の佐藤。佐藤を迎え撃つのは、東海大会の覇者常葉菊川。佐藤は立ち上がりから、140KMを軽く超える速球で、三振を奪っていく。二周り目に入った打線を迎えた佐藤は、突然制球を乱し、満塁のピンチを招き、7番打者に粘られた末、スライダーをレフトに運ばれ2失点。立ち上がりを乗り切った佐藤に一瞬の心の隙があったのかもしれない。あるいは、昨夏突然乱れ敗れた日大山形線へのトラウマか。
その後、再び佐藤は常葉菊川打線に0を並べていく。この部分は、昨夏からの成長を見せる我慢強さだった。だが、仙台育英課題とされていた打線が、常葉菊川田中の前に沈黙。反撃を1点に押さえ込まれ1−2で惜敗。
「ポストハンカチ王子」と目された佐藤のセンバツは初日で終わった。やはり、コントロールを乱すことは野球では命取りになる。たとえ、それが一イニングだけであってもだ。この春は、佐藤にとって一つのイニングの重要さを痛いほど教えた。夏に、今以上に成長した佐藤を見せてほしいと思う。