準々決勝その2

ポルトガル0−0(PK3−1)イングランド

98年フランス大会「たった一人の愚か者」のために、イングランドはベスト16に止まった。その愚か者は、現主将のベッカムであることは言うまでもない。その主将は、失意の中マンチェスターでキャリアを重ね、自国でのブーイングという屈辱にさらされながらも、必死に代表での結果を出し続けた。02日韓大会の予選最終戦ギリシャ戦で決めたフリーキックは今でもオレの脳裏に焼きついているが、そのときのスタジアムの声援は「愚か者」ではなく間違いなく「英雄」だった。
そのベッカムは、ベスト8のピッチにたった。しかし、彼は最後までピッチにたち続けることができなかった。無念の途中交代。そのベッカムの意思を引きつくべき男は、新ワンダーボーイルーニーだったはずだ。しかし、この男は悪い伝統を引き継ぐことになる。相手DFを踏みつけ一発退場。なれないワントップでストレスを溜めていたのであろうが、やってはいけないプレーだった。10人となったイングランドは、8年前と同様にPKで散った。
ベッカムは試合後に主将を辞意。ただし、現役続行はしっかりと表明した。、ルーニーは自国で批判にさらされることになるだろう。若かりし頃のベッカムよりも気性の荒いルーニーの今後を支えるのは、ベッカムになるのだろう。不幸な歴史を繰り返したイングランド。この敗戦は、チームの敗戦であるとともに、一人の将来ある選手の苦悩の始まり。ルーニーベッカムのように代表の英雄としての信頼を勝ち得るための戦いの始まりである。次の南アフリカで成長したルーニーの姿を見ることができるだろうか。

フランス1−0ブラジル

オレは、ブラジルの決勝トーナメント敗戦を予言していた*1。ただ、それを成し遂げるのがフランスになるとは思わなかった。しかし、フランスの快進撃を予感する映像を見ていた。ジダンのラストダンスが話題となっている。そのことがフランスのチームを一致団結させている部分もあるだろう。その中でも、印象深かったのがスペイン戦でアンリとジダンが抱き合っていたこと。これまで、代表で結果のでないアンリにジダンがラストパスをださないとうわさされたことがあった。不仲を揶揄するような内容であり、将軍ジダンアーセナルの点取り屋として成長してきたアンリの両雄が並び立たずということなのかと感じていた。そんな二人の抱き合う姿を見たとき、この噂はこの大会においては、杞憂であることを感じた。そして、世界王者ブラジル相手に、ジダンの放ったFKの放物線が、アンリの右足へ送られ、ブラジルの2連覇の野望を葬り去った。02日韓大会から失ったフランスの輝きが再び灯り始めた。失われた4年間になりつつあった、ブルースの復活。
二人のスターの融合が見られるのは、あと2試合となった。この2試合は、絶対に見逃さない。もしかしたら、その2試合は未来に語り継がれるものになるなかもしれないのだから。

*1:倒すチームはガーナと予想していたのはおおはずれだったが・・・